2012 クレアフォーラム

2012年の CLAIR Forumの概要

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テーマ: “行政評価制度~オーストラリアと日本の最新事例を踏まえて”

2012 年8月17日(金)にCLAIR Forum 2012を、シドニー工科大学地方自治研究所で開催、今年のフォーラムはCLAIR、ACELG(Australian Centre of Excellence for Local Government)、大阪大学大学院国際公共政策研究科 (OSIPP;Osaka School of International Public Policy)との共催により実施いたしました。
[end-div][div] 今年のフォーラムは、“行政評価制度~オーストラリアと日本の最新事例を踏まえて”テーマとして、午前は、フォーラムの前段として学術的な観点から研究者による発表が行われ、午後は、行政実務者の間でより議論を深めるため実務者による発表が行われました。
[end-div][div] 午前の研究者によるセッションでは、約40人の参加者が出席し、シドニー工科大学地方自治研究所のサラ・アーティスト助手とOSIPPの赤井信郎教授が進 行を行いました。また午後からの実務者によるセッションでは、シドニー工科大学地方自治研究所長のグラハム・サンソム教授とCLAIRシドニー事務所の田 辺所長により進められました。

午後のセッションでは、サンソム教授と田辺所長による開会の挨拶の後、来賓の皆さまを代表して小原雅博在シドニー総領事とシドニー工科大学副学長のアティーラ・バーグス教授から挨拶をいただきました。

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引き続いてCLAIRシドニー事務所田辺所長から、オーストラリアの参加者が本フォーラムの理解に役立つことを目的として、日本とオーストラリアの自治体制度の違いについて説明があり、後に控えたOSIPPの赤井教授の発表の予備知識としても十分に役立つものになりました。[end-div][div]

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最初の基調講演は、OSIPPの赤井教授による「事業仕分け~地方自治体施策と事業見直しの日本的アプローチ」 を表題に講演されました。彼の発表は、実際に事業仕分けの評価委員を務めた経験から、その内容と目的を説明したもので、事業仕分けは、地方自治体の職員の 役割や職責の意識を高めるだけでなく、住民も問題意識を持つことで効果を発揮するのだと説明しました。[end-div][div class=”section”]

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2人目の基調講演者は、ニューサウスウェールズ州政府地方自治課の改革推進マネージャーのコリン・モファットさんで、テーマは、「ニューサウスウェールズ州改善実施促進プログラム」についてでした。彼女は、英国における自治体行政の改善施策について学んだ経験を活かし、講演の中で、地方自治体の今後の方向性と改善の方法論について説明がありました。

調講演の後、二人の発表者により実例研究の発表が行われました。[end-div][div]

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ホバート市の組織推進マネージャーのカイリー・カントウェル氏は、「ホバート市の発展の旅」をテーマに、ホバート市の成功事例、戦略、計画にテーマをおきながら、ホバート市が実際に行っている事例を示しながら発表しました。

続いて、Local Government Performance Auditing in the Victorian Auditor General’s Officeのスティーブ・ブラホス氏は、彼の著書である「地方自治体業績報告」を基に、ビクトリア州における監査に基づく行政評価の取り組み事例について発表しました。

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二 人の実例研究の発表後、午前の部で司会進行を行ったアーティスト助手から、午前の部の要約説明がありました。続いて、サンソム教授を進行役として赤井教 授、モファット氏、カントウェル氏、ブラフォス氏によるパネルディスカッションが行われ、参加者からも多くの質問が寄せられ、参加者や彼らの経験や知識を 共有するだけでなく、更に議論が深められました。

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午前の部での研究者からの発表内容

  1. パース市の幹部であるデール・クインリバン氏が「地方自治体確信モデル」を表題に、能率・有効性・持続性に焦点をあてて発表。
  2. 名古屋商科大学の広田啓朗准教授が「地方自治体の歳出と議員定数について」を表題に発表。
  3. ニューイングランド大学地方自治研究所のブライ・グラント氏が「連携戦略」を表題に、オーストラリアのニューサウスウェールズ州における地方自治体の広域行政の成功事例・失敗事例を基に研究した内容について発表。
  4. 千葉商科大学の湯之上英雄准教授が「フライペーパー効果の分布様式」を表題に、補助金と歳出の関係を経済学の観点から発表。
  5. SmartGovのプロジェクトマネージャー、ミック・グレイ氏による「オーストラリアの11地方自治体の事業見直し」をテーマに改善策や方法等について発表。[end-div][div]

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フォーラムはサンソム教授により以下のようにまとめられました。

地 方自治体によって事情や取り組みの内容は異なるが、オーストラリアや日本で共通して見られる問題として、財政削減や財政的支援のカット等がある。これによ り、地方自治体は住民サービスのあり方や方法を見直し、更に効果的なものにすることが求められている。自治体と住民の間の隔たりを埋めていく必要があり、 住民と一緒に課題に取り組み、また、住民への説明責任を果たすことが大切である。 さらに、地方自治体間相互の協力と連携のネットワークを維持するため、 情報交換や参考になる事例を共有できる関係を構築していくことが大切である。 地方自治体の効率性の改善には、長い年月を要するものもあり、我慢や努力も必要だが、地方自治体の効率をさらに向上させていくためには通らなければならな い過程でもあるとの総括がありました。

今年も、フォーラムを通して日豪の自治体が抱える共通の課題についてお互いに学ぶ機会となり、更なる地方自治体の発展の一助になったのではないかと思います。
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カテゴリー: CLAIR Forum

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  • 2023/2024 CLAIR Forum 

    開催日 2024年3月11日(月)

    テーマ Disaster Management and Resilience

    会場 The Japan Foundation, Sydney – Seminar Room(オンライン同時配信)

    主催 クレアシドニー事務所

    共催 シドニー工科大学公共政策研究所 (UTS:IPPG)

     

    【発表者・内容】

    ① 竹村所長補佐(総務省)

    日本における近年の災害発生状況や、災害に係る日本の行政組織(国・都道府県・市町村)の役割のほか、総務省が制度化した対口支援方式の能登半島地震における稼働状況を説明しました。

    ② 國﨑所長補佐(福岡県庁)

    福岡県における近年の大雨災害の様子、避難行動要支援者の支援の取り組み(市町村指導、避難所運営及び個別避難計画作成に関する研修・訓練等)について、説明しました。

    ③辻脇所長補佐(和歌山県庁)

    「世界津波の日」制定の由来となった和歌山県出身 浜口梧陵の逸話に触れるとともに、和歌山県の特徴的な災害対策として、避難先の安全レベルの設定や、移動式給油機「どこでもスタンド」、出張防災教育について説明しました。

    ④Nicole Parsons 氏( Illawarra Shoalhaven Joint Organisation )
    ※当日欠席のため、Vanessa Chan氏が代読

    Illawarra Shoalhaven地域の災害リスク低減のため、地方自治体やパートナーと連携したインフラの耐久性向上や地理的データのアクセス向上、また、環境モニタリングや早期警告システムの開発などの取り組みについて説明がありました。

    ⑤松本所長補佐(千葉県市原市役所)

    千葉県市原市における災害対応について、説明しました。発災時の体制、避難所の種類・開設条件、備蓄品といった基本事項を扱うとともに、コロナ禍における避難所運営の変化に関して、取り組んできた事例を紹介しました。

    ⑥太田所長補佐(神奈川県小田原市役所)

    日本の災害時における医療について、特に被災時におけるDMATの概要、プロセス、厚生労働省と県、災害拠点病院の役割について、小田原市立病院によるDMATの能登半島地震への派遣などの実例を交え説明しました。

    ⑦Tommaso Briscese氏、Miriam Wassef 氏(Burwood Council)

    Burwood Councilにおける、 COVID-19の対応や復興の取り組みとして、コミュニティへのケアや、地域経済復興のための中小企業への財政支援、人的交流を促進させるイベントや空間づくりについて説明がありました。

    ⑧Q&A、Summary

    Q&Aセッションでは、参加者から多くの質問をいただき意見交換ができました。最後にCarol Mills氏が、フォーラム全体を振り返りつつ、締めくくりを行いました。

     

     

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  •  12月3~13日、福岡県水泳連盟の選抜選手8名がNSW州を訪問し、現地の学校との合同練習とNSW州の大会に参加しました。
     
     合同練習では現地の選手との交流を深め、大会では福岡県の選手たちが数々のメダルを獲得する素晴らしい成果を収めました。
     
     本訪問は、2023年12月に福岡県・福岡県水泳連盟・NSW州水泳連盟の3者で締結されたMOUに基づく取り組みです。
     
     クレアシドニー事務所は、福岡県からの依頼を受け、一部行程の同行などのサポートを行いました。今後も、福岡県とNSW州のスポーツ交流がさらに進展するよう、引き続き、支援してまいります。
     
     選手の皆さん、監督、コーチ、同行された職員の皆さん、本当にお疲れさまでした!
     
     
     
     
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